No.29(三国・晋・南北朝時代)  : 

「『天下三分の計』の内容とその結果とは何か?」            

軍師の諸g亮が蜀の劉備に授けた「天下三分の計」は、蜀(赤壁の戦い<208年>
後に成立)と呉が協力して強大な魏を抑えるというものだった。しかし、劉備が建国し
た蜀は2代目の劉禅の時に、曹丕が建国した魏に滅ぼされ(263年)、その魏も将軍
司馬炎に帝位を奪われ(265年)晋(西晋)となった。そして孫権が建国した呉はその
晋に滅ぼされた(280年)。これによって三国時代の乱世は終わり、晋が中国を再統
一した。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:
我が国でも人気の高い小説の『三国志演義』でよく知られた人物や出来事に、正史の
『三国志』が描く史実として再び出会うことにより、強い意欲を持って学習に臨んでいる。

思考・判断:

ローマ共和政末期の三頭政治にも見られた、「三つ巴の安定と不安定」の類型の一つ
である、三国鼎立時代の中国について考察している。

資料活用の技能・表現:

「桃園の誓い」や「三顧の礼」、「出師の表」など、我が国でも親しまれている『三国志
演義』の名場面を再現した資料に触れることによって、豊かな歴史イメージを心に描
いている。

知識・理解:

複雑な展開の後漢末から西晋による中国再統一までの流れを、魅力的な登場人物
が生き生きと動く歴史絵巻として、因果関係等を明確にしながら理解している。